会長挨拶

平成29年を迎え、神道国際学会(International Shinto Studies Association, ISSA)は新しい段階へと入ろうとしております。数名の理事の入替えがあり、私自身も長年の理事経験を経て、今期は会長を拝命することとなりました。この名誉の喜びとともに、責任の重さを感じている次第でございます。理事長には、三宅善信師が再任されましたので、会として変化とともに継続性も保つことができます。

私からは、まずこの場をお借りして前会長である栗本慎一郎先生に感謝の意を表したいと存じます。栗本先生は、平成25年から会長を務められ、ご体調の困難に打ち勝ちながら、宗教また社会の諸問題について独立性を保ちつつ声をあげていくことの重要性を説かれ、私たちの会にプロフェッショナルな助言と学術的なご意見を与え続けてくださいました。また、岩澤知子麗澤大学教授の貢献にも感謝いたします。同教授は、この数年間ISSAにおいて中心的役割を果たしてくださいました。その功績なくして現在の本会の存続はありえなかったでしょう。そして、京都の国際日本文化研究センターのジョン・ブリーン教授は本会副会長としてだけではなく、『神道フォーラム』の編集長としても活躍してくださいました。彼らが今後も本会に影響を与え続けてくださることを願って止みません。

私は会長として、ISSAが平成29年というこの年を自信とやる気にみなぎってスタートできたと感じております。神道研究を高めていくための環境整備にベストを尽くす準備ができあがっております。ハイレベルな学術的研究と、社会的責任を負える創造的かつ一般向けの活動を融合していく途を模索しておりますが、学術的な知識の交流やフィールドワーク・見学会などを通した現実生活における神道研究を通してこれを実現していこうとしております。

また、海外に目を向けますと、神道という日本独自の宗教に対する世界からの関心が非常に高まっております。この関心の高まりに応えるべく、この魅力ある伝統、つまり神道についての信頼に足る知識の結集のために力を尽くしてまいります。どうか、皆さまにおかれましても、どのような形でも結構ですので、私たちのこの価値ある活動にかかわりを持ち、サポートをしていただけますようお願い申し上げます。

マイケル・パイ(神道国際学会会長)