神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
インターナショナル・シントウ・ファウンデーション(ISF)
ニューヨークで多彩に活動


    ニューヨークを本部とするインターナショナル・シントウ・ファウンデーション(ISF)は、国連NGOとしての活動と日本文化の紹介の一端として神道祭典の斎行の二本立てで、広く活動を進めている。本年も、乾光孝ISF主任のもと、活発に展開している最近の活動の一端を紹介する。

「武道の精神的・実用的価値と重陽の節句」を開催
 
    9月9日の重陽の日に、ジャパン・ソサエティを会場として「武道の精神的・実用的価値と重陽の節句」を、国連NGO総会のオフサイトイベントとして開催した。
    本年が国連提唱の「スポーツと体育の国際年」であることから、日本古来の武道が心身両面に及ぼす価値を追求するために開催したもの。
    当日は、国連日本政府代表部、ニューヨーク総領事館、開発と平和のためのスポーツ国連NY事務局、無造作武神館道場からの後援と地酒インクの協賛を得て、国連政府代表部職員、国連職員やNGO関係者、武道家や一般から、約八十名の参加があった。司会はWCRPのポール・シャボウ氏。
    菊の花が飾られた会場では、「開発と平和のためのスポーツ国連NY事務局」のディジブリル・ディアロ部長が、スポーツと体育の国際年について説明、武道やスポーツがいかに肉体と精神を健全にし、福祉に貢献するかを具体例をあげて説明した。
    続いて、クイーンズ地区にある無造作武神館道場の道場主ジェフ・クリスチャン氏と弟子十名による、迫力ある武道の演武。ジェフ氏は、精神の安定や自身の中の弱い面、邪悪な面を取り除くために、武道は有効な手段であることなどを説明した。
    その後、福島輝美、菅真由美氏による巫女舞「豊栄舞」、乾淳子氏による八雲琴「天の沼琴」の演奏、最後に毎年恒例である菊酒が振舞われた。
    ISFでは同様のシンポジウムを神道国際学会と共催で、東京では7月7日に開催した(前号で報告)し、またモスクワでは12月に開催の予定。

第6回めを迎えた国際七五三

    10月8日と9日の両日、国連本部前のユニセフハウスで、第6回目の国際七五三が開催された。
    後援は、日本政府国連代表部、在NY総領事館、日本クラブ、ジャパン・ソサエティ、国際交流基金NY事務所。計4回開かれた式典には、102組の家族(約400名)が参加した。
    あいにくの雨で、恒例の国連の日本庭園での記念撮影は中止されたが、子供たちは、着物を着て千歳飴を持って嬉しそうだった。
    8日午後には、ジャパン・ソサエティ主催の地元高校教師を対象とした「日本文化における通過儀礼」の講義の一環として、参加者16名が見学に訪れ、コロンビア大学のマイケル・コーモ教授が解説した。
    本年も、天理NY文化センター雅楽部による雅楽の奏奠と、多くの着付けボランティアがあった。なお、参加費の一部150ドルが、例年通り世界中の必要とされる子供に使われるよう、ユニセフに寄付された。

新現代美術館の地鎮祭を執行

    10月11日には、ソーホー地区に建設される新現代美術館(New Museum of Contemporary Art)の地鎮祭を執行した。美術館建築のコンペを制した建築家が、「妹島和世+西沢立衛/SANAA」だったことから、美術館が日本の伝統的な式を希望したもの。
    式には、美術館の役員、NY市のケート・レビン文化担当部長、在NY総領事館広報センター奥山爾朗所長など約300名が出席。
    「妹島和世+西沢立衛/SANAA」は、ベネチアビエンナーレ第9回国際建築展展示部門最優秀の金獅子賞を受賞した世界的な建築会社で、海外で起工式に招かれる機会は数多いが、神道式の地鎮祭は初めてということだった。
穿初の後、斎主の乾光孝ISF主任が玉串拝礼をする際に、工事の安全を願って呼びかけたところ、参加者全員が起立し、二礼・二拍手・一礼の作法で拝礼をおこなった(写真)。この模様は地元新聞や雑誌等により取材された。美術館は約2年後に完成の予定。

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