神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
外国人学生は神道をどう見ているか
英・中・露語による神道エッセイコンテスト

    神道国際学会では、数年前から、神道を座標軸としたテーマで、英語・ロシア語・中国語によるエッセイ・コンテストを実施しているが、このほど、第8回にあたる2005年度の英語による神道エッセイ・コンテストの結果が発表になった。
    戦後60年にあたる本年は、例年にまして総理大臣の靖国神社参拝問題が、マスコミを騒がせた。当然、外国のマスコミもこの話題を取り上げたし論評をくわえている。では、一般の外国の人々、とくに若い学生たちはどのように見ているのだろうか。日本人ならだれでもが興味あるところだ。
    神道は、それを理解せずして日本人を理解することはできないとまでいわれており、日本文化の中枢に位置しているが、神道国際学会では、その神道、あるいは日本文化を座標軸としたテーマをとりあげて、平成8年から英語により、11年からは中国語により、そして16年からはロシア語により、神道エッセイ・コンテストを実施している。
    もともとこのコンテストは、英語圏から始まったものだが、英語を母国語としている国々のみならず、ヨーロッパ、あるいは英語圏に留学している学生の応募が多いのが特徴だ。ところが、一時期、ロシア語圏からの応募が非常に多くなり、せっかく内容のよい論文でも、母国語でない英語で書くのではどうしても不利になるという声が審査員からあがり、ロシア語のコンテストを独立して開催することにした。
    ロシア語と英語によるコンテストでは、神道が主要なテーマであるが、中国語のコンテストでは、神道に限らず、広く日本文化一般について、ターゲットを広げている。
    このほど、結果発表されたコンテストのテーマは「神道と女性」「神道と芸術」「神道と世界平和の文化」の三点で、九か国(アメリカ、オーストラリア、イギリス、ドイツ、インド、イタリア、ナイジェリア、ロシア、シンガポール)より14編の応募があった。
    応募作品は、神道国際学会役員により厳正な審査がおこなわれ、別表(二面)のような結果となった。各受賞者には1等・賞金1000ドル、2等・賞金500ドル、3等・賞金300ドル、奨励賞・賞金100ドルが贈られた。
    1位は、昨年も1位を獲得したイタリアのベニス市にあるカ・フォスカリ大学のタツマ・パドアン氏。受賞の知らせに、パドアン氏は下のような喜びのメッセージを寄せられた。


昨年に引き続き、本年も賞をいただき、心から御礼もうしあげます。
神道国際学会のこのエッセイコンテストで、私たち学生が 日本の宗教の知識を深めることができますし、また論文集は国際学会発行により出版されるということですから、このようなユニークで素晴らしい機会が与えられたことに心から感謝を述べたいと思います。
あらゆる視点で世界の平和と文化の相互理解に貢献している神道国際学会に益々の発展をお祈り申し上げます。



    ロシア語と中国語のコンテストの結果は、本年7月15日号の神道フォーラムに掲載されている。
    コンテストの優秀作品は、ロシア語は神道国際学会モスクワ代表部から、中国語は浙江工商大学にある日本文化研究所から、英語は、神道国際学会から刊行されている。



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