神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
神社界あれこれ
「御神木お木曳き」盛大に8000人が参加
愛知・真清田神社で

神宮式年遷宮の御神木
御杣始祭〜愛知・岐阜各地で奉迎送〜伊勢到着

  第62回神宮式年遷宮(平成25年)は、御用材を伐採する御杣始祭が6月3日、長野・木曽の木曽谷国有林で斎行され、また同五日には岐阜・中津川の裏木曽国有林でも伐採式が執り行なわれるなど、いよいよ本格化している。伐り出された御樋代木(御神木)はそれぞれ、愛知・岐阜両県を数日かけて奉迎送され、三重県に渡って神宮に到着した。
   同七日に愛知県一宮市の真清田神社で行なわれた「お木曳き」には、地元住民はじめ全国各地から約8000人が参加。神社一帯では数万の人々が見守るなど、史上空前の盛大な奉祝迎送となった。
   夕方、トラックに載せられた3本の御神木が同市内の御旅所に到着。神宮を表す「太一」の文字を入れた法被姿の参加者がトラックにつながれた綱を木遣りの音頭に合わせて曳き、約三時間かけて中心街から同神社神殿前へと奉迎した。
   このあと御神木を前に式典が執行され、祝詞奏上などに続いて神宮や神社本庁、愛知県神社庁、奉賛会などの代表をはじめ、地元選出の国会議員、地元の政界関係者らが玉串を捧げ、奉賛の意を表した。
   式典終了を前に主職者の挨拶があり、うち愛知県神社庁長の小串和夫氏は「ご奉迎の道中、日の丸の小旗を振って見送ってくれた幼稚園児らのかわいい姿が非常に印象的だった。この子供たちが成長し、次回の20年後の遷宮では彼ら彼女らが奉賛の中心になるのだと考えると、伝統を引き継ぐ我々の役目も、遷宮の本義も、こういうところにあるのだなと思わず心が熱くなった」と語り、また真清田神社の飯田清治宮司も「今、皆さまは神宮の『太一』の印を背負って御神木をお迎えした。これを機にいよいよお伊勢さま奉賛の心が高まっていくと深甚より思ってる」と述べるなど、歴史的な行事に人々の心が一つになったことに感激を表していた。
   同神社に滞泊した御神木は翌8日朝、崇敬者らに見送られて再進発。津島市の津島神社など愛知県内を進み、木曽・長良川を渡って三重県入りした。
      ◇  ◇
   この前日六日には愛知県犬山市で、滞泊地・針綱神社への奉迎があり、こちらも多くの市民が「お木曳き」と式典に参加した。
   一方、岐阜県側でも6月5日から8日にかけて各地で奉迎送が続いた。
 

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