神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
神道国際学会理事の「ホットな近況から」
大崎直忠理事

 半世紀にわたって国内外の新聞、雑誌に書き続けてきた人である。
 ジャパンタイムズの記者時代、PR代理店そして日本コカコーラ・コカコーラ本社などで広報部門を担ったPR時代、そして今は海外のテレビ情報誌の東京支局長……。
 発信する記事・寄稿は英文によるものが多い。「PR戦略」については認識すべき別の基本があるというが、客観性を重視し冷静に物を見極める心構えを強調するあたり、やはり「ジャーナリスト」の名称が一番ふさわしい。

 「“日本メディアの後進性”―これが今、私の書くときの大きなテーマになってきている」という。ジャーナリズム、企業PR双方の現場に深く関わったキャリアと経験から、日本のいわゆるメディア業界の様々な面に見られる後進性や認識の欠如を指摘する。
 とりわけ現在はシンガポールにあるTV専門誌グループの東京支局長である。TV局や番組制作会社、ポスプロ制作会社などを取材して月刊誌や各国の系列雑誌に英文記事を書く毎日。いやでもTV業界や新聞業界の現状と問題点が目に入る。「日本のテレビ・新聞は自分たちが遅れていることに気づいていない。それどころか、どこか自分たちは優れていると勘違いしている」
  「TV局では旨味のある国内市場で視聴率競争に明け暮れ、エネルギーを使い果たしている。それに国内で安定成長してきたせいか、世界に売れる番組制作をしていない」――課題はいくつもあるようだ。
 新聞に関しては、国際基準なら報道記事は事実を客観的に記述するもの、社説や署名記事は新聞社や記者の意見表明が入るもの―と明確に分けられているはずだが、「日本ではいまだに主観的な報道記事がまかり通っている。もっと言えば、ニュース報道の中で主観を振り回している」と渋い顔を見せる。
 こうした現状から発生する様々なトラブルや、海外からの日本メディアへの不満まで、別のインタビューでは具体的に語っている。
 しかしこのような問題点は意識して改善に本腰を入れないと、いつまでたっても直らないに違いない。
 「だから今後、国内外を問わず雑誌などの媒体で、日本メディアの自らの姿を知らしめ、注意を促していきたい」。あるいは三冊目となる著書としてまとめるかもしれない。

 今は自宅が事務所となり、仕事の中身はこれまでずっとやってきたことの延長のようだが、じつはかなり多忙らしい。「引退があったら趣味の音楽三昧、読書三昧といきたい」というが、「今の仕事は面白い。面白いし楽しい」とも。「いゃー、こだわりがあるわけでは……」。飄々淡々と語る裏に生涯現役を貫く「こだわり」を見せている。



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