神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
新任理事紹介

 飯 田 清 春 理 事
(愛知県一宮市・真清田神社宮司)

    「自国の伝統文化や精神を持たずしての世界平和はない」が一つの信念。「わが国では、知識人といわれる人すら、自分の国のことを知らないのですよ。もっともっと、日本人としての核なるものに誇りを持ってもらわないと……」。今どきの世相を大いに憂慮している。
   神道の現場で神事に奉仕する者の立場から、日本人の信仰に関する講演を頼まれることも多い。
   「日本人の先祖感、神観念というものがある。世界の文明と比較して神道のこと、神社のこと、伝統的なお祭りが果たしている役割のことを話すと、若い人たちもまじめに、目を輝かして聞いてくれる。戦後の『神道指令』以降、なんにも教えられていないだけなのです」
    一の宮の由緒を持つ105社で作る「全国一の宮会」の会長としても伝統文化の再興に力を注いでいる。氏子崇敬者とともに一の宮を巡拝し、「式年遷宮」を機に、伊勢の神宮への奉賛と崇敬を高める方策にも心を砕く。
   「いわば日本人の総本家たるお伊勢さんがあり、産土さんがあり、神々がお産みになった我々人間や山川草木がある。そうした観念が継承され、培われてきた。『みんな、つながっているんだ』という確信があってこそ、誇りを持って生きていけるのではないですかね」
    「現場で奉職し、氏子さんらとの交流のなかで経験してきたものに基づいて、しっかり承知しているものを持っていればこそ、自信をもって発信していけるものがある。そう思っています」

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    京都・伏見稲荷大社を皮切りに、愛知県犬山市の大県神社で権禰宜・禰宜・宮司を務め、真清田神社宮司に就任。その間、県神道青年会会長、県神社庁庁長、神社本庁理事などを歴任。現在は神社庁顧問、神宮評議員などを兼任している。
    若い頃から合気道に打ち込み、國學院大学時代は仲間と関東学生合気道連盟を立ち上げ、初代委員長として学生間交流に奔走した。当初、加盟大学は数校だったが、今では80数校を束ねる組織に成長しているそうだ。財団法人合気会の理事でもあり、地元新聞社のカルチャーセンター教室で合気道を教えたりもしている。


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 本紙既報の通り、昨年暮れに開かれた本会理事会で平成21年度からの新役員が決まりました。うち新たに就任いただいた理事は4人の先生方です。新任理事を順不同でご紹介していきます。
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