神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
神道展示館訪問 : 橿原神宮宝物館

至宝の奉納品や美術工芸
大家による名品を心ゆくまで

   橿原は、初代・神武天皇が宮を建てて即位した歴史発祥の地=B明治22年、建国の由緒を伝えるこの地に、多くの請願を受けた明治天皇により、橿原神宮は創建された。御祭神は神武天皇・同皇后である。神武即位(紀元元年)から数えて2550年目のことだった。
   創建、そしてその後の神域の整備へと続く同神宮の歩みには、神武さん≠慕いつつ熱誠あふれる勤労奉仕を惜しまなかった数多の崇敬者がつねに寄り添っていた。
   御鎮座110年にあたる平成12年、境内の一角に新たな崇敬会館が建設された。食堂・喫茶室・売店を含む休憩フロア、いくつかの研修室を備える養正殿、そして橿原神宮宝物館が併設されている。
   宝物館に常設展示されるのは、明治天皇御奉納の太刀をはじめ、同皇后である昭憲皇太后御奉納の御鏡、横山大観や富岡鉄斎など近現代の高名な画伯による絵画、各界から奉納された秀逸の美術・工芸品の数々である。御祭神を主題とした絵巻や絵画、木彫の御像も並んでいる。墨蹟は久邇宮邦彦王殿下、山岡鉄舟、東郷平八郎、千宗室の手によるものだ。
   加えて、外苑の整備中に発掘された橿原遺跡から出土した石鏃・石棒・石鍬や「大和土器」も併せて展示している。同遺跡は縄文から奈良時代にかけての集落遺跡である。
   スペースは広くはないが、ゆったりと、心静かに、至宝の名品を鑑賞し堪能できる居心地のよい空間がひろがっている。


▼住所=奈良県橿原市久米町
▼電話=0744(22)3271
▼開館時間=9時から16時(土日祝のみ開館)
▼入館料=大人300円、高校生以下200円


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