神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
インターナショナル・シントウ・ファウンデーション
ニューヨーク便り

心をきよめる 夏越の大祓式

 6月30日、NYセンターで夏越の大祓式が執り行われた。
 ISFでは夏と年末の年2回、大祓式を執り行っているが、いまでは毎年恒例の神事として定着しつつある。最近では日本人よりむしろアメリカ人をはじめとする非日本人の参列者が増えているのも興味深い。
 大祓式の前に、毎月の神道文化入門講座が開かれ、太田垣オフィサーが大祓祝詞の意味を英語と日本語の現代文で紹介し、「神道では、本来は善である人間が罪を犯すのは穢れのせいだとされている。日常生活の中で知らず知らずに穢れが身につくと罪や災いが起こるので、時折お祓いをして清浄な姿にもどり、幸せな生活を送ることを願う。大祓祝詞は祝詞の中でももっとも長い祝詞だが、リズムもよいので奏上しているうち次第に力のようなものを感じる。内容を把握しつつ穢れを祓う意識をもって、読上げることが大事。ぜひ毎日の習慣にしてほしい」と述べた。
 講座のあとの大祓式では、参拝者全員で祝詞を奏上し、紙の人形(ひとがた)に罪穢れを移してお祓いをした。

手作り紙芝居で説明 七夕祭

 7月7日、NYセンターで七夕祭りが催され、子ども連れの家族や夫婦など、たくさんの参拝者で賑わった。
 太田垣オフィサーにボランティアが手伝って作成した紙芝居が披露され、七夕は織姫星と彦星が、年に一度だけ天の川を渡って会うことを許された特別な日であるという伝説を、やさしく説明。また笹を立て、ひとりひとりが短冊に願い事を書いて笹の葉に結びつけ、にぎやかな楽しい祭りとなった。
 その後、そうめんと武者小路千家による抹茶と和菓子が振舞われ、ひとときの日本の夏を満喫した。

マンハッタンのレストランで神前結婚式

 7月19日、ニューヨーク市マンハッタンの静かなレストランで、アメリカ人のチャールス・ピンカートンさんと日本人の鈴木有理子さんの結婚式が、太田垣オフィサーの斎主により執り行われた。
 式典は、雅楽の音が流れる神聖な雰囲気のなかで斎行され、三々九度の厳粛さや奉納された巫女舞の美しさに、アメリカ人参列者は興味をしめしていた。
 最後に太田垣斎主は、参列者に三々九度の意味を説明し、神道式結婚式が二つの文化を結びつける役割を果たせたことに喜びを感じると祝福した。

神道とお米の関係を 高校生に説明

 ニューヨーク市の文化事業組織であるジャパン・ソサイエティーが8月4日から約2週間にわたり開催した、高校生対象の夏休み特別異文化講座にISFも参画、今回のテーマは『和食』。定員数を超えて約30名の学生が集まった。
 8月4日、5日の2日間の「お米と麺」についてのセッションで、太田垣オフィサーが、お米と神道の関係性についてレクチャーした。まず、神道についての基本的概念や日本の神様などを、アニメーションを使って説明。つづいて日本の地形、気候、季節、自然などから農耕文化が栄え日本人とお米と神々、そして祭りへのつながりを述べ、多くの儀礼に登場するお米から作られた縁起物の意味を説明した。
 高校生たちは、それぞれの家庭での食文化と日本食を比較しながらディスカッションしたり、学生からのインタビュー方式で多くの質問や発言が飛び交い、楽しく活気ある講座となった。

世界平和を祈り式典

 広島・長崎に原爆が投下されて63年目を迎えた今年、ニューヨーク市の本願寺仏教会で、8月5日に広島・長崎原爆法要が執り行われた。
 広島で被爆しニューヨークに運ばれた親鸞像の前で、中垣住職による経読、広島と長崎の市長から送られた平和のメッセージが読みあげられ、平和を象徴する折鶴の奉納ののち、大勢の参列者が犠牲者の冥福と世界平和を祈った。
 広島に原爆が投下された当地の7時15分には、ローソクに火が灯され、鎮魂の鐘が鳴らされた。その後、参列者はローソクを手に一キロ離れたリバーサイドチャーチへ移動。
 リバーサイドチャーチでは仏教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教、神道が合同で平和祈願をする「インターフェイス平和式典」が執り行われ、太田垣オフィサーが平和祈願のスピーチをした。


※写真、今後の予定などは ISFホームページに掲載。
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