神道国際学会会報:神道フォーラム掲載

宗際・学際・人際

和歌披講の学習会で伝統文化を教える

林 純 一


公家・武家伝統文化研究会主宰

披講の魅力を多くの人に
   今秋に第一回公演「八雲立つ――和歌を歌う」も

    歌会などで和歌を伝統の節と旋律で詠唱する披講。この和歌披講の魅力を広く認知してもらおうと意欲を燃やす。「歌に込められたものが、詠うその力によって感じられてくる。和歌は詠われてこそ初めて生きてくると思うのです」
    披講の学習会「星と森披講学習会」の設立当初からのメンバーであり、現在は師範にあたる上級講師(こうじ)。入門者ら初級クラスの指導に当たっている。
    宮中歌会始に見られる綾小路流と、京都の冷泉家に伝わる冷泉流の二流儀が残る。千年の由来に公家文化の精髄が息づく。
    宮中歌会始での詠唱を聞き、「何かに突き動かされるような感動を覚えた」。披講のとりこになり、そして直感したという。「和歌はもともと、節があって歌われたものだ」
    本格的に披講に取り組もうと考えていた5年前、学習会の現代表、伊藤一夫氏と出会い、会設立に参画した。披講文化を広めたいと考えていた伊藤氏は、宮内庁歌会始委員会参与の中島宝城氏とも懇意だった。
    同学習会は披講の練習をしている民間唯一の組織で、月2回、東京・三田の元神明宮で講習を開いている。披講のほかに作歌、装束など伝統文化を幅広く学ぶ。年1回、宮中歌会始披講会会長の坊城俊周氏を招聘。四季折々に披講の宴を催し、各国大使館での催事や、和歌文学会での披露も行なっている。
    一昨年、公家の流れを汲む人たちによる一般公開の披講舞台が惜しまれつつも終了した。学習会ではこのほど、民間ではあるが、その精神を受け継ごうと、舞台公演を企画した。今秋、学習会の第1回公演「八雲立つ―和歌を歌う」を開催する。「声に出して和歌を歌うことの素晴らしさを知ってもらう機会になれば。歌い方、旋律に日本人として感じる懐かしさを味わってもらえると思います」
    学生の頃から合唱団に加わるなど西洋音楽が好きだった。しかし仕事で海外生活を送るなかで、祖国の伝統芸能や伝統文化を意識し始めたという。今後は逆に、「披講をはじめ書、舞、香道など、日本の文化を海外に伝えるほうに力を注ぎたい」といい、国際的な文化交流、相互理解に一役買おうとしている。

◇   ◇

    「八雲立つ――和歌を歌う」は11月21日18時半から東京・紀尾井町の紀尾井小ホールで。神道国際学会、和歌文学会などが後援。

【第一部】「古事記より」八雲立つ=`和歌の始まり〜。
【第二部】「対談」坊城氏と中島氏。
【第三部】「和歌を歌う」〜古代より現代まで〜。

4000円(当日は4500円)。
申込みは「11月21日公演申込」と表記のうえ、名前・メールアドレス(またはFAX番号)・必要枚数などを明記してメールやFAXで。
メール=hoshitomori@aol.com
FAX=047-372-5012(星と森披講学習会)



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