神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
新刊紹介

『イチから知りたい 日本の神さま』刊行スタート
戎光祥出版・伊藤社長に聞く


    聖なる地に祀られ、深く崇められてきた日本の神々。その姿と本質、まします場、そして人々の信仰の世界を分かりやすく解説するシリーズ『イチから知りたい 日本の神さま』の刊行が始まった。コンパクトながらも、テーマ解説のほかに、「神々の謎」「視点」「コラム」「宮司に聞く」などをはさみ、カラーをふくめた豊富な写真や図説を盛り込む。祭神を祀る全国神社「総覧」も付ける。
 シリーズの1は「熊野大神」。有名な「那智参詣曼荼羅」に加え、新たに制作された「新宮」と「本宮」の「参詣曼荼羅」を掲載。熊野三山の神々と、古来、人を惹きつけてやまない熊野の魅力に迫る。監修は生田神社宮司で神戸女子大学名誉教授の加藤隆久氏。続刊予定は2「稲荷大明神」、3「八幡大神」、4「大国主大神」、5「天満天神」……。
   発行の戎光祥出版、伊藤光祥社長に刊行の意図を聞いた。



 「神社を扱った観光目的のガイドブックや雑誌はたくさん出ています。しかし、外観やうつわだけを見るのではなく、古来より神仏がおわす、その姿と、そこに込められた信仰を再認識する。そんな本を作りたいと思っていたのです」
 「学術的な研究と信仰とは相容れない要素が多くあります。それを分かりやすく≠ニいう面で両立させるのはなかなか難しいのですが、神々の御神徳を個別に整理し一冊に残したいと考えております。本文は本質に迫るしっかりした内容です。一方、写真をふんだんに入れるなど、一般の人たちが理解しやすいように工夫をしました。弊社刊行の大部の『神仏信仰事典』シリーズをハンディーに、ビジュアルに、より一般に味わえるものに、と考えています」
「千年も二千年も続いている神社です。空っぽのはずがない。神社とその周りには不思議なことがたくさんあり、ながく文字のなかった時代には生きた人間が口伝で残してきたものがある。神々や土地の記憶というものがあるはずです」
「神々と、神々への信仰というもの、それは人間にとって根本的な部分だと思うのですが、その大要を理解してもらえればと願っております」



『イチから知りたい・日本の神さま1「熊野大神」』はA5判、176頁、2310円(税込)、戎光祥出版=03(5275)3361



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