第17号 9月15日刊行 神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
新刊紹介

天翔ける日本武尊 上・下    神渡良平 著

 生涯を賭して国を切り拓いた英雄、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)とその周辺の人々の躍動を描く感動の一大長編。著者は脱稿後、神宮の大神に感謝を込めて奉告参拝するが、その折に感ずるところがあって、天照大神と素戔鳴命の“歴史的和解”についての一章を書き加え、完結させたものという。
 草創神話や英雄伝説は一見、権力闘争、勝者・敗者の区別を表面に出してはいるが、その底には勝ちに恵まれた者にも恵まれない者にもそれぞれに相手や全体に思いを寄せる心根があり、やがて育まれていく「和をもって貴し」という精神性を仏教の伝来以前、すでにこの国が土壌として培っていたことを窺うことができる。天照大神と素戔鳴命が危機を乗り越え、和解に至るくだりもそうである。
 著者は2年半にわたって、「さまざまな資料を渉猟し、主人公たちの文字に表されていない思いを行間に読み、出来事の背後にあった事情を読むという作業に明け暮れしてきた」のである。著者が尊敬するという芹沢光治良の信条、「文学はもの言わぬ神の意思に言葉を与えることである」――その重みが本物語の全体に漂っている。
 ▽285頁、1680円、致知出版社=03(3409)5632


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明暗を分ける の経営ポイント
新 栄える神社 さびれる神社      近代出版社 責任編輯

 神社は宗教法人だから営利は追及しないが、法人である以上、法人格を永続発展させるためにその健全運営に努めねばならない。ところがこれが現代においてはなかなか至難の業で、本書のタイトルどおり「栄える神社」と「さびれる神社」に分化しているのが実状である。
 本書は、「栄える神社」を目指す神社経営のためのヒントや原則をふんだんに盛り込む。冒頭、「すぐにできること」と「新しいチャレンジ」に分けて「神社経営 のポイント」を掲げる。このポイントを踏まえて本編では、ステップ1からステップ5まで、経営手法の基礎を具体的にやさしく解説していく。
 もちろんこれは、ビジネスの現場から捉えたヒント集であり、すべての神社に当てはまるものではない。しかし、本書をまとめた編集者らが出版社の立場から神社発展に向けた支援を数多く手がけ、経済成長≠フ実例を積み上げてきたことも事実なのだ。
 この国はいったいどうなってしまったのか、と思うくらい、今、世の中は悪くなっている。日本人の美徳たるものもまったく薄らいでしまった。主題は「神社経営」だが、編集者の心には、現代社会において「神社が日本の心の原点としての役割をもっと果たしてほしい」との熱誠があることも忘れてはなるまい。

 ▽128頁、1050円、近代出版社=03(3952)5216

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