神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
第62回神宮式年遷宮「お木曳・一日神領民」

お木曳き感想(1)
ヴァル・ウィリアムスさん(米国カリフォルニア州出身、埼玉県三郷市の中学AETとして勤務中)

私の初めての伊勢参り
  もともと神話に興味があったので、伊勢は一度は訪ねて見たいと思っていました。来日して3年、お木曳の誘いを機に、実現できたことを喜んでいます。
  初日は二見が浦で参拝をし、明日のお木曳きに期待を胸ふくらませ、寝たのですが、しかし…、早起きが苦手な私は5時起きに驚き、そのうえ、宮川の土手に到着するなり、そり状の上にのせた木を川と土手まで、それも三往復も運ぶとは! 目が完全にさめていない状態で二回まではどうにか力を出せましたが、もう一回なんて…しかもまだ朝食前です。もうフラフラでした。
  運んだ木の飾りつけがおわり、本格的にお木曳きがはじまると、最初はのんびりと和やかに引っ張っていました。しかし、そのうち、反対側の綱をもっていた若い学生や元気な若者たちが掛け声をかけ、荒々しくぶつかりあうのでびっくり。そのうち、若者たちの声にのせられて、対面している人と綱をぶつけあうのに慣れてきました。おかげで、汗はびっしょり、痣はあちこち。外宮に到着して無事に納めることができたときはホッとしたしだいです。
  その後、外宮に参拝しました。疲れていたにもかかわらず、森につつまれ、神社が自然と溶け込み心地よい気持ちにさそわれました。そこは母国カリフォルニアの北部にあるシークアイアを彷彿させてくれました。翌日には内宮に立ち寄り、以前に見学した京都や鎌倉とくらべて、まったく異なり、静かで『森』そのものの存在感が肌でかんじられました。
  このお木曳き行事は素晴らしい体験でした。実際、アメリカではこのようなお祭りは見あたりません。奏でる音やお祭りの人々の声、又人と人がぶつかりあう魂のふれあい、すべてが、独特な雰囲気につつまれていました。自分がこの貴重な体験が出来たことは幸運だったと思います。

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お木曳き感想(2)
踏江真歩さん (13歳)

お木曳に参加して
  出かけるとき、最初は「ちょっと面倒くさいな」と思っていましたが、帰るときには「すごく楽しかったな」という気持ちになりました。足が痛くて、疲れたけど、昔からずっと続いている大切なお祭りだと聞いて、それに参加できて、いい思い出ができたと思います。
  音楽や歌に興味があるので、綱を曳く前に公園で木遣り囃子の練習をしたのも面白かったです。
  よく分からなかったのは、「どんでん返し」の時に、どうして木を3回も水に入れるのかということです。それに、どうして2本の綱を両側からぶつけて押し合うのかということです。
  ほかにも、お祭りの一つ一つの難しいことはよく分からなかったけれど、そのうち勉強すればわかるかもしれません。でも、お祭りは楽しいのだから、もっともっと、たくさんの子供たちが参加すればよいのにと思いました。

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