神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
インターナショナル・シントウ・ファウンデーション(ISF)頼り

世界の平和と人類の幸せを祈る

  ISFニューヨークセンターでは4月26日(水)、27日(木)の両日、米国ワシントンDCジョージタウン大学で開催された「Prayer for Peace 2006〜国際平和の祈り〜」に参加した。
  「宗教と文化・対話の勇気」がテーマのこの催しには、世界中から100人を超える宗教者および各国政府関係者が参加し、世界平和実現のために意見を交換し祈りを捧げた。
  神道を代表して神社本庁から田中恆清副総長が参加し、祈りの儀式では神道遥拝式が執り行われ、田中副総長が斎主を、ISFの新渡戸オフィサーが副斎主をつとめた。
  その後、新渡戸オフィサーはメインイベントである平和の行進で、各世界宗教者代表と肩を並べて特設会場まで歩いた。ファイナルセレモニーでは、各宗教代表者がそれぞれに、蝋燭に火を灯し世界の平和を祈った。
  ISFで毎月開催する「日本語による神道文化入門講座」は4月28日(金)が第7回め。今回のテーマは「昔話にみる神道」で、講師は役者であり劇作家でもある松田光輝氏。松田氏は「かぐや姫」「鶴の恩返し」「一寸法師」「浦島太郎」などの原型は日本最古の書物ともいえる古事記にうかがえると解説し、13名の参加者に読書を薦めた。特に自分の子供や近所の子供たちに我が国に伝わる伝説や神話、昔話を音読して聞かせることの重要性を説いた。   また5月26日(金)には第8回めが「日本の神話」テーマとして開催され16名が参加。先月の昔話が好評で「次は神話編を」という声が多数あったため前回に引き続き、松田光輝氏が講師となった。松田氏は「自分が生まれてきたルーツを辿って行けば、日本の神話にたどり着く」と語り、自作の芝居語り「ふることふみ」を朗読して、古事記を日本人の習慣や知恵を伝える古代からの手紙≠ニ解した独自の世界観で参加者を惹きつけた。
  その後「現代の教科書には神話について描かれているのか」「神話と天皇とのつながりは?」「戦争は今の日本にどれほどの影響を与えたのか」など、教育問題や歴史認識についての質問が相次ぎ、予定時間を30分ほど越えて終了した。回収したアンケートでは、自分のルーツを探ることの大切さや、今後の個々の責任の重みを感じさせる貴重な意見交換の場となったことがうかがえた。
  5月7日(日)には、児童虐待の犠牲となった子供たちの慰霊祭「Pray for the Children and Give Voice to the Silenced」がNY市ブルックリン地区のブラウン・メモリアル・バプテイスト・チャーチで執り行われた。新渡戸オフィサーは、キリスト教やイスラム教など諸宗教からの聖職者とともに参列し、龍笛奉奏、慰霊祭詞を奏上し、英語で挨拶、最後に子供たちの幸せを祈る唄で締めくくった。雄弁に訴える聖職者たちのなかにあって折り目正しく控えめな神道の祈祷と澄んだ歌声は、参列者に際立った好印象をあたえ、スタンデイングオヴェーションを受けた。
  5月30日(火)には、ミッドタウンの聖バーソロミュー教会で開催された「2006 UN High Level Meeting on AIDS International Prayer Service国連エイズ撲滅の祈り」が開催された。各宗教代表者が入場するパレードでは、新渡戸オフィサーが先導役を務め大麻(祓串)で周囲を祓い清めつつ行進するという大役を果たした。各宗派からの一分間の祈りでは、新渡戸オフィサーが龍笛を奉奏し(写真)、二拝二拍手一拝の作法で、エイズ撲滅への祈りを捧げた。祭典終了後、参列者から「龍笛の音色が素晴らしかった」「完璧な祈りの形を見た」など、神道儀礼に対する高い評価の声があがった。


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