平成14年(2002年)10月3,4日の2日間にわたり,米国ニューヨーク市にあるコロンビア大学で,神道国際学会が主催する第7回国際シンポジウム「神道研究の新しい方向性」が開催されました。 最近,世界各地で見られる日本の神道に関する関心の高まりを察知して,コロンビア大学ドナルド・キーン日本研究センター,中世日本研究所が共催したものですが,同時に同大学に神道を中心とした常設の日本宗教研究講座が新設されたことを記念しての開催でもあります。2日間で大学内外の学者,学生らが多数出席し,発表者も日米欧からさまざまな顔ぶれがそろいました。 シンポジウムは5つのパネルにわかれ,初日には (1)神道と現代的宗教研究,(2)神道と関連宗教が,2日目には(3)神道と日本研究,(4)近代的学問領域としての神道美術,(5)神道と近現代国家がテーマとなり,それぞれのパネルには活発な質疑応答が続きました。 パネルと発表者は以下のとおりです。 第一パネル 「神道と現代的宗教研究」 薗田稔名誉教授(京都大学) イアン・リーダー教授(ランカスター大学) マーク・テーウェン教授(オスロ大学) 第二パネル 「神道と関連宗教」 ジェーン・サワダ教授(アイオワ大学) ジョームズ・ドビンス教授(オバーリン大学) 菊地大樹氏(東京大学史料編纂室助手/プリンストン大学出向中) 第三パネル 「神道と日本研究」 今井雅晴教授(筑波大学) 小峯和明教授(立教大学) 荒木浩助助教授(大阪大学大学院文学研究科) 第四パネル 「近代的学問領域としての神道美術」 サミュエル・モース教授(アムファースト・カレッジ) 真鍋俊照学長(宝仙学園短期大学) ミミ・イェングプルクサワン教授(エール大学) 第五パネル 「神道と近現代国家」 サラ・タール教授(ライス大学) ウィリアム・ラフロアー教授(ペンシルベニア大学) フェデリコ・マルコム氏(コロンビア大学院生) 広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館助手/プリンストン大学出向中) また,初日のパネル終了後には,参加者を交えての夕食会が催されました。共催者のコロンビア大学中世日本研究所のバーバラ・ルーシュ所長の歓迎のあいさつに続き,深見東州神道国際学会副会長が,神道の実践家である自身がなぜ芸術活動に力をそそいでいるのかについてスピーチをしました。 シンポジウム開催に努力され,当日は進行にあたった阿部龍一宗教学部長は 「日本史・日本宗教史・日本美術史などの研究に,神道の知識が不可欠と認識されたと思う。神道は民族信仰と考えがちだが,日本文化の大きな側面である。アメリカでは近年神道に関する学際的研究がさかんになりつつある。このシンポジウムが日本でそうした活動が見なおされるきっかけになれば」 と抱負を語っています。