12月度 英語による神道文化入門講座 

「縁起の良い年の迎え方」 と 年越大祓式


講師:太田垣亘世 ISF NYセンター


 2007年12月31日、ニューヨーク市タイムズスクエア近くの会場ファジル・スタジオにて、ISFの月例神道文化講座が開催された。講座のテーマは「縁起のよい年の迎え方」。講師の太田垣オフィサーによる英語の講座の後には、年越の大祓式が執り行われた。会場にはアメリカ人、日本人が半数ずつの約60名の参加者が集まった。

 日本の年中行事やしきたりは、生活に変化や潤い、けじめをつけるための多くの知恵が詰まっている。「縁起をかつぐ」という概念も日本人の豊かな人生観の現れであり、人生や季節の節目節目には多くの縁起物によってそれらを祝う。
 今回の講座では、まもなく迎える新たな年にちなみ「七福神」「十日戎」「おせち料理」の意義や起源が、太田垣講師により説明されたが、日常、自国文化に触れてきた日本人でも初めて知ったということが多かったようだ。講座の途中で、参加者のうちどれだけの人が縁起物を身につけているか質問すると、殆どの日本人がお守りやネックレス、風水のたぐいを携帯されていた。一方、身につけていたアメリカ人はいなかったため、多くの方が「縁起物」に非常に興味を示され、自分も身につけたいと、講座のあとにお守りやだるまなどを授与してもらいたいとISFを訪問した方もいた。「縁起物」に内包されている意味から日本文化を知ることができる、日本の縁起物は愛らしいなど積極的な意見が飛び交った。

 他宗教徒からみると、日本人の宗教心は曖昧だとよくいわれるが、今回の講座では異文化交流、他宗教徒の方からの意見を通して、日本人は宗教的だといえるのではないだろうかと認識した。新年の迎え方は、国や民族によって大きく異なるが、日本国民の3分の2は寺社参拝をする。もちろんこれは宗教的というよりも伝統的習俗かもしれないが、実際、ご祈願や多くの縁起物とによって、清々しい気持ちになり一年間の安泰を願う日本人が殆どである。講座の後の大祓式では御祓いをし、参列者とともに『大祓祝詞』を奏上したが、これで清々しい気持ちで新年を迎えることが出来ると多くの人が喜びを伝えてこられた。年間を通しての日本の宗教的儀礼は数多くまた盛大である。それらに敬意をもってきちんとこなしていく日本人は、無宗教というより、宗教的優等生ではないかと感じさせられた。

(報告=太田垣亘世オフィサー)


画像をクリックすると拡大画像を別ウィンドウに表示
  画像をクリックすると拡大画像を別ウィンドウに表示   画像をクリックすると拡大画像を別ウィンドウに表示
画像をクリックすると拡大画像を別ウィンドウに表示   画像をクリックすると拡大画像を別ウィンドウに表示   画像をクリックすると拡大画像を別ウィンドウに表示

★ 前回の入門講座の様子はこちらからどうぞ ★