同時多発テロから6年

9.11灯篭流し追悼式で犠牲者の鎮魂と平和の祈り

 2007年9月11日、同時多発テロから6年目を迎えるこの日、犠牲者を追悼するセレモニー9.11灯篭流し追悼式がニューヨーク市グランド・ゼロ近くのハドソン川桟橋で執り行われた。NY本願寺が主催し、Interfaith Center of New York(ニューヨーク宗教センター)協賛によるこの式典には、約500人近い犠牲者を悼む人々が全世界から集まった。

 式典では、10を超える諸宗教の指導者による鎮魂、平和の祈り、アーティストによる楽器や歌の演奏、そして人々の命を弔う日本の伝統行事である灯篭流しがなされた。

 参列された在NY日本総領事の櫻井本篤氏は、9.11の悲惨な出来事による尊い生命の損失に対し改めて追悼の意を表明された。ISFからは神主である太田垣オフィサーが、犠牲者の方々の御霊が全ての宗教が共に捧げる祈りに癒され世界に平和がもたらされることを願うとスピーチし、追悼の思いと世界平和を祈念する神道の祝詞を奏上した。

 最後に、平和を希求する参列者による様々なメッセージが書かれた108つの灯篭が、数珠繋ぎとなってカヤックで河面に流された。空高く放たれる追悼の象徴であるグラウンド・ゼロのサーチライト、暗い水面にゆらゆらと流れる108の灯篭、合掌する人々。そこには静寂と敬意の念が満ち、国籍や人種を超えた人々の共通の願い、メディアでは伝わらない人々の心の模様を強く感じることができた。(報告=太田垣亘世オフィサー)